3分で学べるインプラントについて

インプラント

こんにちは。歯科衛生士EMIKAです。
今日は「インプラント」についてご紹介します。ここではインプラントの基本的なことが理解できます。

インプラントって何?

患者
患者

インプラントって…歯ぐきにネジみたいなものを入れるんですよね?

歯科衛生士
歯科衛生士

そうですね。インプラントって怖い!痛いそう!というイメージを持たれている方が多いようですね。ここで簡単に理解していきましょう。

インプラントは英語で植え付けるという意味があります。
歯科においては歯の欠如した部分、顎の骨に人工的な歯根部を植立することをいいます。
インプラントは3つの構造で成り立ちます。
フィクスチャー(人工歯根)・アバットメント(連結部分)・上部構造(人工歯)、この3つを組み合わせて上図のように歯を失った部分を補います。
アバットメントの素材は多くの歯科メーカーでチタン、もしくはチタン合金が採用されています。身体に親和性が高く、金属アレルギーが起こりにくい材質でできています。

インプラントの治療の流れ

術前診査・診断

患者の全身状態、口腔内の状態を十分に把握するために問診・診査を行います。

・問診
・口腔内診査(虫歯・歯周病・咬合状態)
・デンタルX線やパノラマX線、CT撮影 
・口腔内写真
・スタディモデル(型取り)

治療計画

資料採得した情報をもとに口腔内を総合的に診断し、インプラントのみでなく残っている他の歯も含めた治療計画を立てます。
これはとても大切なところです。抜いた歯の部分だけでなくお口の中全体を見て治療の方針を立ててくれる医院かどうかは歯医者さん選びのポイントにもなります。なぜなら、抜けた歯の部分だけでは根本的な解決の治療にはならない可能性もあるからです。インプラントだけするのではなく、かみ合わせやそのほかの歯の状態も見た上で将来的なリスクを考慮した治療を提案してくれる歯医者さんであると安心して治療を受けることができると思います。またその際、治療内容の選択は患者の自由です。提案されたからと言って必ず治療を受けないといけないわけでもありません。理解した上で自分で選択できることが大切なのです。
治療計画の話し合いの際は、治療内容、費用や期間あらゆることに十分に説明を受けましょう。不安なことや疑問に思ったことは、遠慮なく質問するといいです。

すぐに治療をできない場合もあります。

・全身疾患があり、感染しやすい、治癒しにくい方
・糖尿病のコントロールがされていない方
・骨量が不足している方

必要に合わせて術前処置を行うこともあります。
インプラント手術前は口腔内を清潔にするために、虫歯や歯周病の治療を行い細菌感染のないように努めます。また患者さん自身がきれいにセルフケアが行えるよう歯磨きの指導も行います。

インプラント埋入手術

術前処置が終了したら局所麻酔のもと、インプラント手術を行います。
麻酔は虫歯の治療の時に使用するものと同じです。虫歯治療と同じように麻酔がきけば痛みを感じることはありません。
外科的な処置ではありますが、一般歯科で普通に行われる治療です。

インプラントを顎の骨に埋入した後、口腔内に露出させる1回法と、歯肉で完全に多い治癒を待つ2回法があります。二回法で行った場合再度外科処置を必要とします。
この時の処置はインプラント埋入手術に比べて身体的負担は少なく短時間で終わります。

治療当日は激しい運動などは控えて安静に過ごしましょう。術後の痛みは痛み止めを飲めば、対応できる程度です。
痛みがなく飲まずに済む方も、もちろんいます。

抜糸(経過観察)

術後1週間ほどで、縫合した場合は抜糸を行います。後はそのまま骨とくっつくのを待つだけです。
この時の歯磨きの仕方などを歯科衛生士さんにしっかりと聞いておきましょう。
インプラントが骨としっかりとくっつくまでの期間は2〜3ヶ月から6ヶ月程度かかる場合があります。インプラント手術の際に骨造成治療を行った場合は治癒期間が長くなることがあります。

型取り

インプラントが骨としっかり結合した時、上部構造作製の為、型取り(印象採得)を行います。
この時にはアバットメント(連結部分)にキャップをしたり、仮歯を入れたりします。
インプラントが安定している状態であれば、仮歯も入るのである程度噛めるような状態になってきます。

完成(上部構造の装着)

完全に装着するまでは何度かの適合や歯の色、かみ合わせをチェックするために試適を行います。
その後、完成となります。

治療が終了した後は

インプラントは治療が終わったら終了ではありません。これはどの治療にも言えることですが、お口の中の健康を維持するためにはメンテナンス(定期検診)は必須です。インプラントは人工のものなので虫歯になることはありませんが、歯周病にはなります。長持ちさせるためにも、専門的なクリーニングと定期的なチェックは必ず行いましょう。定期検診にきちんと来院せずに放置してしまうと、インプラントに何か問題が起こった時の保証ができない場合もあります。

おまけ

インプラントっているからあるの?

患者
患者

インプラントって最近の治療なイメージあるけど、どうなんですか?

歯科衛生士
歯科衛生士

実は意外と古くから歴史があるんですよ。これはちょっとした豆知識として読んでみてください。

インプラントが主流になったのは1960年代以降のことです。
ですが歴史は意外と古く、実は紀元前前から試みられてきました。紀元前3世紀ごろのエジプトにはの抜けたところに象牙や宝石を埋める試みがあったりしたと報告されていたり。西暦700年頃にはマヤ文明において顎の骨に歯根と一体化した貝殻が埋められていたという報告がされています。そのほかにも世界各地で同様の記録が残っているんです。このようなことからインプラントはかなり前から永久歯が抜けた後の治療の一つとして存在していたと考えられています。
以降、近代になり、ステンレス・コバルトクロム・金・サファイア・エメラルド・鉄などの材料を用いたインプラントが作られてきましたが、その結果は良好なものではありませんでした。

そして近年ではようやくインプラントが一般的な治療として普及してきました。

スウェーデンの整形外科医のブローネマルクは骨の治癒の研究のために動物の体内に埋入した純チタン製の実験装置が骨組織と強固に結合することを発見しました。
それから長期間にわたる研究を経て、1965年に初めて歯科分野でインプラントの治療がスタートしました。以来、世界中に広がり全世界で数千万人の患者に使用され、様々な症例に用いられています。

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