タバコがお口の中に与える影響

お口の中

こんにちは。歯科衛生士EMIKAです。今回はタバコとお口の関係性を紹介します。

患者
患者

タバコが身体に良くないってイメージあるけど、歯にも影響があるんですか!?

歯科衛生士
歯科衛生士

そうなんです。実はタバコはお口の中に一番影響があるって皆さん意外と知らないですよね?どんな影響があるのかこれからご紹介します。

タバコについて

喫煙と受動喫煙によって健康被害を受けてしまうことはよく知られています。
そして、お口の中にの健康を害する一つの要因にもなっています。
一般に喫煙者は非喫煙者に比べると2〜6倍歯周病にかかりやすく、また非喫煙者の2倍もおおくはを失っているという報告があります。さらに喫煙本数に比例して歯周病が重症化することもわかっています。(1日に10本未満では非喫煙者の2.8倍。20本で4.7倍。30本以上で5.9倍。受動喫煙でも3倍です。)
またお口の中、特に歯ぐきは能動喫煙だけでなく受動喫煙・三次喫煙でも、直接影響を受けてしまいます。

現在習慣的に喫煙している者の割合は17.8%であり、男女別にみると、男性29.0%、女性8.1%である。この10年間でみると、いづれも有意に減少している。年齢階級別にみると、30~60歳代の男性ではその割合が高く、習慣的に喫煙している者は3割を超えている

厚生労働省調べ(平成30年度)

タバコの中には約4000種類もの化学物質が含まれていて、そのうち約200種類が有害物質、約70種類もの発がん性物質は含まれていると言われています。これらの物質が口の中から直接吸収される…と考えただけでもなんだか嫌な影響がありそうな気がしてきますよね…

喫煙がお口の中に与える影響

汚れがつきやすくなる

これは想像がつくかと思います。タバコはヤニ(タール)がつくことではの表面に汚れが付着しやすくなります。それだけでなくヤニが沈着することでお口の中や歯ぐきに有害物質がいつまでも出続けます。

歯ぐきが黒くなる

タバコによってビタミンCが破壊され、粘膜にタールやメラニン色素を多く呼び沈着させ、歯ぐきや唇がどず黒くなってしまいます。

粘膜の病気や口腔ガンのリスクが高まる

タバコの有害物質が作用してお口の中の癌が引き起こされやすくなります。お口の中でも特に舌の下の口腔底豊がれる部分は粘膜が薄い為様々な化学物質が透過しやすいです。またお口の中は歯茎や頬、舌など至る所が粘膜に覆われているのでタバコの有害物質は吸収されお口の中のトラブルも引き起こしやすいです。

歯周病を進行させる

ニコチンや一酸化炭素の影響で、血行不良・免疫力の低下が起こり、歯周病を進行させやすくなります。

歯周病が治りにくい

ニコチンは体を守る免疫機能を低下させます。
病気に対する抵抗力が落ち、さらに傷を治そうとする組織の働きが抑制されて、歯周病の治療をしても非喫煙者に比べ治りが悪いです。また歯周病の再発リスクも高いです。

歯ぐきの炎症がわかりにくくなる

これは歯ぐきが繊維化してしまうからです。喫煙することにより歯茎の中の血管に酸素が供給されにくくなってしまいます。歯茎の炎症がわかりにくくなると歯周病の初期症状に気づきにくくなってしまいます。

口臭がひどくなる

タバコは独特なニオイもありますが、さらに歯周病がプラスされると、口臭はきつくなってしまいます。

唾液が減少し、虫歯や歯周病になりやすくなる

喫煙することで自律神経の働きにより唾液の分泌は減少します。唾液はお口の中の重要な役割をいくつも担っている為、汚れがたまりやすくなったり自浄作用の低下により細菌が増殖しやすくなります。

味覚異常を起こす

唾液の減少により舌の表面に舌苔が付着しやすくなり、味覚を感じる味蕾という器官を覆ってしまうことで味がわかりづらくなります。そして自然と味付けの濃いものに食事が偏ってしまい、高血圧や生活習慣病などの原因にもなってしまうのです。

インプラントに対する影響

歯を失った部分を補う治療法としてインプラントがあります。(インプラントについてはこちらの記事をご覧ご覧ください)

喫煙はインプラントのリスクファクターとして挙げられます。それはタバコに含まれる一酸化炭素やニコチンの作用によってインプラントが骨とくっつくのを妨げたり、インプラント周囲炎(歯周病原因菌が引き起こす、インプラントの歯周病のこと)の発症リスクを高める可能性があるからです。インプラント周囲炎が進行してしまうと、最悪インプラントを摘出しなくてはいけない場合もあります。

タバコが悪影響を及ぼす原因

たくさんの有害物質を含むタバコですが中でも『三代有害物質』と言われているものがあります。

タール

タバコの葉が燃える際に発生する黒褐色の液体で、歯の表面に付着する「ヤニ」です。何よりもタールは有名な発がん性物質です。

一酸化炭素

タバコが燃える際に酸素不足によって不完全燃焼を起こすと一酸化炭素が発生します。一酸化炭素は血液中で酸素を運搬するのを阻害します。

ニコチン

タバコの葉に含まれる毒性の強い物質です。依存性を強める原因にもなっています。
ニコチンには強力な血管収縮作用があります。口の中だけでなく身体全体の血管を収縮させます。血管が収縮すると、血流が悪くなってしまうので歯ぐきに十分な酸素や栄養素が供給されません。

また白血球の機能が大幅に低下して歯ぐきなどの歯周組織を細菌から守る力が弱くなり、細胞の回復力にも影響を与えます。

おまけ

患者
患者

最近では加熱式タバコの人も多いですよね?その場合はどうなるの?

歯科衛生士
歯科衛生士

それは気になる質問ですね。お答えします!

加熱式タバコはタバコに比べるとタールの量が9割以上減ると言われています。つまりヤニが歯につくのは随分と減ると考えられます。ですがタバコの害はタールだけではなくニコチンやその他の有害物質などもあります。なのでお口の中に影響を及ぼすことに変わりはありません。

喫煙することのお口の中の影響は想像以上に多かったのでは、ないでしょうか?
だから禁煙活動はどんどん広がっていってるんですね。ですが、もちろん喫煙するかしないかは自分自身の選択です。
喫煙することで精神の安定が保てたり、気持ちが満たされたりそれぞれの必要性があると思います。
何事においてもメリットデメリットを知っておくことは必要だと思い、今回の記事を書きました。

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